モラル・精神的ハラスメント
直接的な法令定義なし(労働契約法上の安全配慮義務・パワハラ規制と関連)
厚労省指針準拠
定義
言葉・態度・行動によって相手の人格を傷つけたり、精神的苦痛を与えたりするハラスメント。直接的な暴言がなくても、無視・冷遇・陰口・成果の横取りなど「見えにくい」手口が特徴です。
種類・分類
モラルハラスメント
人格否定・無視・陰口・皮肉・成果の横取り
不機嫌ハラスメント(フキハラ)
不機嫌な態度・ため息で周囲に圧力をかける
🕯
ガスライティング
事実を歪め相手に自信を失わせる精神的操作
具体的な事例(○ 問題なし / × ハラスメント)
×
毎日ため息をついて部下に無言のプレッシャーをかける
不機嫌な態度でプレッシャーを与えるフキハラです。言葉がなくても精神的苦痛を与えればハラスメントです。
×
部下の成果を自分の手柄として上司に報告し続ける
成果の横取りはモラハラです。部下の自己効力感を損ない、精神的なダメージを与えます。
×
特定の社員だけ挨拶をしない・返事をしない
意図的な無視・孤立化はモラハラの典型的な手口です。
部下の業務ミスについて、原因と改善策を一緒に考える
建設的なフィードバックはハラスメントではなく適切なマネジメントです。
事業主が講ずべき措置(厚労省指針)
1
事業主の方針の明確化と周知・啓発
ハラスメントの内容や、行ってはならない旨の方針を明確にし、管理・監督者を含む全ての労働者に周知・啓発する。
2
相談に応じる体制の整備
相談窓口をあらかじめ定めて労働者に周知し、担当者が内容や状況に応じて適切に対応できるようにする。
3
迅速かつ適切な事後対応
相談があった場合は事実関係を迅速・正確に確認し、被害者への配慮と行為者への措置を適正に行い、再発防止に取り組む。
4
プライバシー保護と不利益取扱いの禁止
相談者・行為者等のプライバシーを保護し、相談したこと等を理由とする不利益な取扱いを行ってはならない旨を定め、周知する。
5
原因・背景となる要因の解消
業務体制の整備など、ハラスメントの原因や背景となる要因を解消するために必要な措置を講じる。
被害を受けたときは(相談先)
はっきりと意思を伝える:「やめてください」と自分の意思を伝える。受け流すだけでは状況が改善しないことがあります。
会社の相談窓口に相談する:ハラスメントは個人ではなく会社の問題です。人事・労務の相談担当や信頼できる上司、労働組合にも相談できます。
労働局に相談する:会社で対応されない場合は、都道府県労働局 雇用環境・均等部(室)や総合労働相談コーナーへ(匿名可・無料)。
覚えておくべきポイント
モラハラは「証拠が残りにくい」ことが特徴です。被害を受けたと感じたら日時・言動・状況を記録しておくことが重要です。また加害者が無自覚なケースも多く、企業全体でのリテラシー向上が必要です。
出典:厚生労働省「職場におけるハラスメントの防止のために」および各ハラスメント防止指針(ポータルサイト「あかるい職場応援団」)を参考に作成。個別の該当性は事情により異なり、最終的な判断は専門家にご相談ください。
このテーマの診断を受ける →